【「ブルータスよ、お前もか!」の名言を世に残したシェイクスピア】

  • 2022年2月15日
  • 2022年2月14日
  • 石膏像

【「ブルータスよ、お前もか!」の名言を世に残したシェイクスピア】

 

前回はブルータスが実は2人存在していて、

どちらもカエサルと深い関係にあったということを明らかにしました。​

「ブルータスよ、お前もか!」という言葉は、

「自分の忠実な部下や仲間だと思っていた人が、自分を裏切った」

というような状況で使われますね。

まさかお前が・・という失意に満ちたニュアンスです。

この言葉を広めた人物が、

イギリス・ルネサンス時代の劇作家ウィリアム・シェイクスピアです。

​ウィリアム・シェイクスピアは、英語表記のカエサルの名前がタイトルとなった悲劇

『ジュリアス・シーザー』で、カエサルやブルータスの一連の物語を描いています。​

しかし、内容はシェイクスピアによってかなりゆがめられており、

史実と異なった形で世に印象づけました。

実は登場したのはマルクス・ブルータスのみで、

デキムス・ブルータスは登場すらさせませんでした。​

「愛人の子供に裏切られた」というストーリーの方が面白く戯曲書けたのかもしれませんし、

マルクスが2人いたらストーリーがややこしくなるかもしれませんし、

そもそもシェイクスピアは歴史に疎かったと言われもいます。

このシェイクスピアの劇によって、

カエサルとブルータスの悲劇の物語が今日まで多くの人に伝わりました。

​少し時代は遡り、イタリア・ルネサンス期のミケランジェロが製作したのも、

マルクス・ブルータスの方でした。

​ミケランジェロが自身の解釈と依頼人からの要望で彫刻を作り、

シェイクスピアが戯曲として物語を作る。

どちらも歴史的事実に100%忠実ではないですが、

芸術作品は芸術家の感性や人生観が反映されるものですので、そこは咎められません。

 

しかし「マルクス・ユニウス・ブルータス」の彫刻は確かに存在するのです。

みなさんはマルクス・ブルータス像のデッサンに取り組む方も多いですから、

彼の生涯を紐解いてみましょう。​

 

中島健祐 桃井心

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