ここで明らかにしておきたいのが、
実はカエサルの暗殺を企てた集団の中に、ブルータスは2人いました。
カエサルの生涯の愛人であった女性の息子マルクス・ユニウス・ブルータスと
カエサルの後継者候補の一人であったデキムス・ユニウス・ブルータス・アルビヌスです。
紀元前44年、2人のブルータス含む共和政支持の集団はカエサルの暗殺を決行します。
約60人もいたそうです。
さて、カエサルが殺される際に放った言葉「ブルータスよ、お前もか!」
は今も有名ですが、どちらのブルータスに向けた言葉だったでしょうか?
そして、どちらのブルータスをミケランジェロは制作したのでしょか?
真相を明らかにすべく1人ずつ見て見ましょう。
マルクス・ユニウス・ブルータスカエサルには愛人が何人かいましたが、
マルクス・ブルータスは生涯の愛人である女性の息子です。
幼くして父を失ったマルクスは、カエサルに父親代わりに育てられました。
ローマ内戦時、敵対するカエサルは
「戦場でブルータスを見つけたなら、決して傷つけてはならない」
と部下に異例の命令を下し、マルクスを護ったことで知られています。
デキムス・ユニウス・ブルータス・アルビヌス、遠縁あるデキムスは、
小さい時からカエサルをまるで父のように慕っていました。
いくつかの戦いで功績もあげていて、カエサルに気に入られていました。
カエサルの後継者オクタヴィアヌスが何らかの理由で後継者になれなかった場合に、
跡を継がせようともしていました。
後日、カエサルの遺言で明らかになり、デキムスはとてもショックを受け、
暗殺に加わったことを後悔したそうです。
どちらも共和政を強く支持している2人です。
そしてどちらもカエサルと関係が深かったことが分かりますね。

wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/マルクス・ユニウス・ブルトゥス
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイウス・ユリウス・カエサル
共和政ローマー世界の歴史マップー
https://sekainorekisi.com/glossary/共和政ローマ
なので、どちらに向けて「ブルータスよ、お前もか!」
と言ったのかは意見が分かれるところでしょう。
愛人の子供で父親のように接してきたマルクスか。
後継候補になるくらいに信頼を置いていたデキムスか。
みなさんはどちらだと思いますか?
中島健祐 桃井心